宿 第一部 23〜25
 しばらくして、ほうっと息を漏らすと静子がつぶやいた。
「フフ、フフフフッ。女将さんったらこんな事までして・・・ 私
ほんにビックリしてまった。ああ、吉岡さん・・・ やっと二人っ
きりになれたね。ああ・・・」
 俺はもはや剥き出しで鼓動を打つ前のモノをそのままに、黙って
静子に近づいていった。そしてそのツルツルに冷たく濡れた黒いゴ
ムマントの肩をそっと抱き寄せた。
「ああ、静子さん・・・ 素敵な・・・ あまりにも素敵なゴムの
静子さん・・・」
「吉岡さん、私を、ゴム女の私を愛してくださる?」
 素っ裸の俺は何も言わずこのゴムの娘を抱きしめ、ゴムの静子は
俺の背中にゴム長手袋の腕を回し、お互いに強く抱きしめあった。
そして長い口づけをした。
 腰まで風呂に浸かったまま、ゴムの娘と素っ裸の俺は、ずいぶん
長い間抱き合い、キスをしていた。が、やがて彼女のゴムの手は、
俺の背中をゆっくり滑り降り、その片方が今度は俺の前をまさぐっ
てきた。俺たちは一旦離れ、二人の間を見た。
 「吉岡さんのお#ん#ん、私のゴム手袋好きかしら・・・」
 そういいながら、俺の前のものをその黒いゴム手袋ですくうよう
に持ち、やがて脈打つその肉棒をゆっくり握ってきた。
「吉岡さんのお#ん#ん、私のゴム手袋のなかですごいドキドキし
てる・・・」
「ああ、こいつは静子ちゃんのツルツルした、その黒くて長いゴム
手袋がたまらなく好きなんだよ・・・ そんなにツルツルしてるか
ら・・・ そんなにも長いから・・・ ドキドキしちまうんだ・・
・」
「吉岡さんのお#ん#ん、私のこのゴムマントやゴムの水中長靴の
ことも好き?」
「もちろんだ・・・ 赤いゴムのウエットスーツも・・・ ああ、
もう、もうダメだ・・・ 静子ちゃん、静子ちゃん、ゴムの静子ち
ゃん、俺の・・・ゴムのしずこ・・・」
「まって、我慢して! おねがい!」
 なぜ? っと思いながらも、とにかく俺は彼女のゴム姿から目を
そらして必死でこらえた。痙攣の一歩手前で、なんとか暴発をおさ
え、息絶え絶えにゆっくり歪んだ顔を戻した。
「いい? だいじょうぶ? ああ、よく頑張ったわね・・・ さあ
こっちに来て」
 湯に浸かってしまったゴムの水中長のすそを湯の中でなびかせて
歩き、風呂から上がった。上がった後のゴムの水中長は、水をたっ
ぷし満たしてダブダブに膨らみ、折れたすそから水をあふれたさせ
た。
 彼女は、腰にゴムのバンドをしていて、水中長がずり落ちないよ
うにゴムバンドに吊り上げていたが、それを解いた。ゴムの水中長
は、裏返りながら蓄えた水を吐き出した。
 彼女はため息をついて、一旦、濡れたゴム長靴をズリュッと脱ぐ
と、逆さにして水を抜いた。濡れた黒ゴムの水中長は赤いウエット
スーツと擦れるたびに、キュウキュウ騒いでいる。
「せっかくのゴム長靴なのに・・・ ジュクジュクになってしまっ
た。ウエットスーツの中にも水が回りよる・・・ ああ・・・」
 俺もゴム長靴の片方を逆さにしていたが、彼女が黒ゴムマントに
付いた小さなポケットから、小さなアルミのパッケージを取り出し
たのに気付いた。
「吉岡さん、これ、付けて・・・」
 それはコンドームだった。彼女が何をしようとしているのかわか
らなかったが、とにかく言<われるままにした。
 パックを破り、中を取り出して俺自身に被せようとしている時、
彼女は黒ゴムマントを脱ぎ、洗い場の床に敷いた。彼女自身、赤い
ウエットスーツと肩までの黒ゴム長手袋になり、濡れた水中ゴム長
を再び履きだした。履いた後、コンドームをかぶせている俺を手伝
った。
「私のゴム手袋も吉岡さんのお#ん#んのお世話、したくてたまら
んの・・・」
 といいながら根元までかぶせると、彼女は俺の目を見た。見なが
ら、ウエットスーツの上着の前のすそにあるビーバーテールのホッ
クをはずした。ビーバーテールが外れて、お尻の側に文字通りビー
バーのしっぽの様にぶら下がった状態になると彼女は、洗い場の黒
ゴムマントを敷いた上に、静かに仰向けに寝そべった。
 「ゴムの神様に怒られちゃうかもしれないけど、このゴムスーツ
のズボン、ここんところに穴があけてあるから・・・ 吉岡さん・
・・ おねがい私と・・・私と一つになって」
 俺はこの風呂場に寝そべっている、黒ゴム長手袋と黒ゴム水中長
の、ツルツルした赤いゴムの肉体を持った静子という女をしばらく
見つめ、やがて、はちきれそうになっていた俺自身をそこに向け、
ひざを付いて彼女に重なった。つるっとしてヒヤッとした彼女の妖
しい体は完全にゴムであって、俺はそのゴム女の中に嵌まり込んで
いった。
 「ああ、わたしのなかに・・・ ゴムで包まれている私なのに・
・・ わたしの中に、男が・・・」ゴムの体のまま彼女は呻いた。
 俺は目の前に息づいているゴムの女体が、俺を受け入れているこ
とが不思議だった。彼女のゴム手袋やウエットスーツ、股から下を
覆っているゴムの水中長が、ゴムのにおいをさせ続けて、二人を刺
激していた。俺たちが転がっている床面も、彼女の大きなゴムマン
トの上だったが、それまでもがゴムのにおいを放っていた。
 人間とのセックスではない感じがした。
 時折、荒い息をしながらうねる彼女のそのゴムのボディは、抱き
しめるたびに擦れ合い、あらゆるところから、キュググと音をさせ
て俺にその事を思い知らせ続けた。
 ゴム人形かと思えてくる彼女は、空ろなまなざしで天井をみてい
たが、急に「あう、ううあああ・・」とあえぎ、俺の顔をそのゴム
手袋で挟みつけ、吸い付くように唇を合わせ、俺の中に舌を入れて
きたりした。
「ああ!」っと声を上げたかと思うと、次には俺の腰にそのゴムの
手を回し、押さえつけるようにして、自らのゴムの腰を激しく前後
に動かしてくる。俺はこのゴムのツルツルした体が信じられず、飽
くことなく抱きしめ続け、ウエットスーツの襟首や、ゴムの肩、ゴ
ム手袋のあちこちに、何度も何度もキスをした。
 俺の体が触れている彼女のすべてがギュルギュルと、ツルツルと
したゴムだった・・・ 腕も、胸も腹も、腰も、尻も太ももも、す
ねや脚の先まで、顔以外はなにもかも全てがゴムだったのだ。
「ああ、俺の、俺の静子・・・ 俺のゴム女、ああ・・・ゴムおん
な・・・あああ!」
「もっと、もっとゴムと呼んで、私をゴム女と呼んでくだ、さ・・
・・ ああ、こんなにいいのはじめてよ・・・ 私はずっと、ずっ
とゴムの体で愛されたかった・・・ だって、わたしはゴムのおん
ななのよ・・・ ホントにゴムの・・・ これが・・・わたしの、
ゴムのわたしの体よ・・・ああああ!」
 狂ったように俺にしがみつくと「ああああ! 私はゴムよ、わた
しゴム、ゴムおんな、私はゴムおんなぁ・・・!」
 といいながら、メチャメチャに俺に吸い付き、噛み、揉みくちゃ
にし・・・ 無謀にも俺は、このゴム女を相手に自分も腰を動かさ
ずにいられず、激しく上下運動を繰り返してしまった。
「う、うぬ、ぬぐぉ!」・・・ついに、ハダカの俺は、カエルのよ
うに暴れるヌメヌメしたゴム女との結合の中で、精を出しきり、痙
攣しながら達してしまった。
 が、同時にゴム女静子も「んがああうううううっ!」と凶暴な咆
哮をあげて、全身のゴムの力で俺を締め付けたまま、逝ってしまっ
た。
 はあ、はあ、はあ・・・ 俺たちはしばらくの間、お互いに重な
り合っていた。そうして二人、まどろみの中にいた。彼女のゴムの
体は俺の上にあった。俺は、本物のゴムおんなをいま抱きしめてい
ることを、深く味わっていた。そしてこの美しいゴムの体を何度も
撫でて、愛している事をその手触りに伝えた。
「ゴムの・・・静子。君は本当のゴムおんなだったんだね・・・ 
俺はずっと君を探し続けていたんだ・・・ あまりにも素晴らしい
この体をもった女性を・・・ ああ、ゴムの静子・・・」
「フフフ、私、本当にゴムおんなだったでしょ。心から・・・」
 しかし、しばらくすると彼女は腰を引いて俺のモノを引き抜き、
横にごろんと転がると大きく息をした。そして、ゆっくり立ち上が
るとビーバーテールをぶらぶらさせたまま、ゴムの水中長をドコド
コ言わせてよろよろ歩き、排水溝のところまで移動していった。
 一旦俺の方に振り返ると、
「ああ、あの、ちょっと催しちゃったから・・・ 悪いけどあっち
向いてて」という。
 俺は寝転がったまま「ああ」といって天井を向くフリをしたが、
また静子のほうに目を戻した。排水溝のところにしゃがみこんだ、
赤いウエットスーツの背中のゴム女は、黒いゴム長手袋の片手を、
しゃがんで折り曲げたゴムの水中長のひざにのせ、もう片方の手で
お尻のビーバーテールを後ろ手に持ち上げた。飛沫がかからないよ
うに・・・か? おかげでその様子が良く見え、俺は一部始終を凝
視してしまった。
 赤いウエットスーツの娘はいま、黒いゴム水中長を履き、肩まで
届く黒いゴム長手袋を嵌めているいでたちのまま、排水溝の上にし
ゃがみこんで、そのウエットスーツの股間にあけた窓から、勢いよ
く小便を放った。こっちから見ていると、あたかも、赤いゴムのウ
エットスーツのオマタから噴射しているような感じだった。
「キシューーーーーーーッ!!」
すこし冷え込んできた風呂場の中で、彼女の熱い小水は音をたて、
湯気をたててしばらくのあいだ排水溝にたたきつけられていた。若
く勢いのある逞しいゴム娘の小便は、一条の滝のように排水溝に当
たってまわりに激しく飛び散り、それが彼女自身の、長くてしっか
りした黒いゴム長靴にもどんどんはね返って、いく粒もの水滴、い
く筋もの流れとなった。ゴム長靴の表面に弾かれて伝わり、たれ続
けているそのさまを、俺は見つづけた。その光景をまるでスローモ
ーション映像でも見るようにはっきりと、じっくりと見てしまって
いたのだ。彼女は本当にゴムの体を持った女なのだということを、
小便する姿を見て不思議に実感してしまった・・・

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